人事とはマーケティングである
毎週渋谷のBOOK LAB TOKYOで開催されている著者と語る読書会。
今回のゲストは『強みを活かす』の著者であるサイバーエージェントの取締役曽山哲人さん。
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人事とはマーケティングであり、マーケティングとは人の感情を動かすこと。
人が動くとき、必ずその人の感情が動いていると、冒頭に曽山さんは言った。
話しにくい人ほど、その人の感情に注目し、配慮し、読み抜き、行動を決めることが大切だということだった。
確かに思い起こせば、周りの人を動かしたり、お願いするのが上手な人は、これが全てできている。
私にもなぜこの人は動いてくれないのかとイライラすることがよくある。
その時によく思っていたのは、相手は自分の鏡である、ということ。
自分の嫌な部分を相手の中に見てしまい、より一層イライラしてしまうというアレだ。
そして対処法としてよく使っていたのが、相手と自分を置き換える方法。
自分は相手の鏡なのだから、自分も同じようなことをしている、ということ。
なぜ自分はそんなことをしたのか、そういう風に考えて、「どうでもいいと思ってるからだな。
じゃあ何でどうでもいいんだろう。メリットがないからかな。」と思考を進めていっていた。
これを一言で表したのが、感情に注目する、ということだ。
とてもシンプルで今までモヤモヤと思っていたことをスッキリさせてくれた。
この軸を持つことがマーケティングの第一歩なんだと思う。
人は興味を持つ人に興味を持つ
これも『強みを活かす』で書かれていることであるし、とてもよく言われること。
人に興味を持ちなさい、自分のことばかり言っている人は
人に興味を持ってもらえない、と。
よく聞きはするけど、じゃあ実際にどうやって興味を持ったらいいの?
興味を持とうと思って話しかけてみたけど、会話も続かない。
あーやっぱりメンドくさい!どうでもいいわ!やめよう!ってなってしまいがち。
それって当たり前で、相手に対して何の情報も持たずに
丸腰で話しかけに行くのは、相当難易度が高い。
現段階で、相手も私に興味がなく、私も相手に興味がないと思われる状況では、
相手が乗ってきてくれる話題でないと会話は続かない。
つまり相手に意図的に興味を持つことが重要。
この意図的に興味を持つ仕組みがサイバーエージェントにはある。
朝渋では3つのワークを参加者同士で行ったので紹介したい。
価値観の9ブロック
これはありとあらゆる「はじめて」の場面に使うと効果的だそうだ。例えば新しいチームを結成した時など。
<やり方>
1、2分で自分が大事にしている価値観や信条、仕事の軸などを書く。
<ワークのポイント>
書く時間を1、2分と短くすること。時間を短くする理由の1つは
瞬発力が大切ということ。そして2つ目は書く時間が長いと、
人は受け入れてもらえそうな着飾ったこと準備して書いてしまうから。
<目的>
少なくとも8個は相手との切り口を持てる話題が手に入る。
この8個について意図的に聞いていくことでその人の考え方がわかる。
また8個の価値観はその人がこれまでずっと意識してきたことが
反映されている場合が多いので、そのまま強みとして活かせる可能性が高い。
才能投資ワーク
先ほど書いた価値観の9ブロックの中で、注力したいものに1つマルをつけてもらう。
そして、それをどの仕事でどのように使うかを考えてもらう。
これは強みである価値観を絞って活かすためのワーク。
キャリアライン
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<やり方>
これまでの人生を振り返り、飛躍と苦労をグラフにする。
その後グループワークで、話者以外の人たちがキャリアラインについて
質問をしながらその人の強み、弱みを見つけてあげる。
<ワークのポイント>
グラフが上っているときは強みが出やすい。
そして修羅場体験(下がってから上がってくるところ)をした時も強みが出やすい。
また聞く側に強みを見つけるというミッションを与えるとワークは盛り上がる。
質疑応答
Q.お笑い芸人をやっていた個性を出したいが、今出せていない。
A.個性は勝手に出てくる。芸人という強みを出そうとするとウソになるので、
自然体で芸人を忘れて全力でやると、そのうち個性が勝手に出てくる。
Q.年上のマネジメント方法はどうしたらいいか?
A.年上こそ感情面でチヤホヤするのが大事かも。
その人が何が嬉しいか分かっておくことも大切。
具体的な方法としては、自分に期待していることや
手伝えること何かを聞いてみる、というのもある。
Q.コミュニケーション活性化のため、シャッフルランチを
しているが評判が悪い。良い進め方はあるか?
A.舵取り役の人事のメンバーがモデレーターで入った方がうまくいきやすい。
Q.優秀人材が退社しないように心がけていることはあるか?
A.部署のトップの人材がやりがいを持って続けられているかを考えている。
トップがやりがいを持っていれば、他の人たちも頑張れば楽しそうな仕事に
就けるとイメージしてもらえるよう意識している。
また優秀な人が退社するのは一定仕方ないし、活躍してくれればいいと
割り切っているところもある。
曽山さんの著書、以下2つは人事関連のお仕事をされている方のみならず、
オススメですので、ご興味ある方はぜひチェックしてみてください。
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