【著者と語る読書会】御社の働き方改革、ここが間違ってます!【朝渋】

毎週渋谷のBOOK LAB TOKYOで開催されている「著者と語る読書会」。
今回は、これからの働き方はどう変わっていくのか、どう変えていくべきなのかについて
「御社の働き方改革、ここが間違ってます!」の著者である白河桃子さんがゲスト。

「御社の働き方改革、ここが間違ってます!」の著者である白河桃子さん(写真右)
                                                        ×
 スリール株式会社で女性の「両立不安白書」をリリースされたばかりの堀江敦子さん(写真左)
 

 



働き方はどう変わる?

これまでの日本の経済力を支えてきた働き方は「一律」「量」「他律」で、
その根幹を支えてきたのがモーレツ社員です。

全員が足並みを揃えて、長時間労働を厭わず働くスタイル。
このスタイルのメリットは会社が提供してくれる働き方にのって働いていれば
将来が保障されるということでした。

そのため多くの会社員は、いつどこでどのように働くか、ということについては
会社任せにならざるを得ませんでした。(出社時間や勤務地など)

しかしこれからの働き方で大切になってくるのは

  • 一律ではなく、多様
  • 長時間労働という量ではなく、成果という質
  • 働き方を会社に委ねる他律ではなく、自分で主体的に定義していく自律

 

労働時間は将来的に短縮されていくと言われており、
この世の1割の人しか働かなくなるかもしれない時代が控えている中では、
「自分はこの場所で、この時間くらい働いて、こういう成果を残し、このくらい稼ぐ」
という働き方に対する自律性・主体性が非常に重要になってきます。

これはすなわち自分はどのように生きていくかということなんだと思います。
どうやって生きていきたいかを徹底的に自分で考え抜き、実行していく時代であるということです。

経営者の方々の中には「労働者の時間は有限であるということに気づかなかった」と仰る方もいるそうです。

 

働き方改革を担うのは誰か?

働き方改革と言うと、会社の制度を変えることに着目しがちで、
経営陣がやればいいじゃん、という考えが強いです。

ですが、実際に働き方改革を進めていくべきなのは経営者はもちろんのこと、
会社員である個人(中間管理職、一般社員)なのだということです。

 

経営陣はメッセージの発信と制度設計を

経営陣は【風土づくり】として覚悟を持ち、メッセージを発信し続けるべきであり、
また【制度づくり】としては評価と報酬の制度設計を実施すべきです。

先ほども書いたように労働者の時間は有限という中で、労働時間の圧縮だけをやってしまうと
「管理職のオーバーワーク」という問題が発生します。

「早く帰れ」という会社の指令の下、若手社員は早く帰るけれど、
そのしわ寄せが管理職にいき、結果的に管理職がオーバーワークになるということです。

また「効率化・生産性向上を達成したにもかかわらず、残業がなくなった結果、
給与が下がってしまう」
という評価・報酬体系の問題点が発生する懸念も指摘されています。

こういった状況に陥らないために、経営陣は労働時間削減と併せて「評価と報酬の制度設計」についても
取り組まなければ単に労働時間削減しただけの上滑り感のある働き方改革になってしまいます。

 

個人はワーキングマザーをモデルに心理的安全性の確立を目指す

ワーキングマザーは本当に時間が限られているので、めちゃくちゃ仕事の効率化を意識しています。
ただ効率化はできていても生産性向上までできているかというと、そうではない実態が多いようです。
さらに目指すべきは生産性向上だけでなく、心理的安全性です。

心理的安全性とはダイバーシティの一つであり、様々な人の様々な働き方が認められるのだという
安心感です。この心理的安全性が高い企業としてGoogleがあげられますが、そういった企業は
生産性が高いとも言われているようです。

 

スリール株式会社の仕事と子育て両立体験プログラム

白河さんのお話に続き、スリール株式会社の堀江さんがリリースしたばかりの「両立不安白書」について
お話されていました。

【スリール株式会社とは・・・】

スリール株式会社では、「誰もが笑顔で自分らしい人生を生き、笑顔で子どもを生み育てられる社会」を目指し、日本初家庭内インターンシップ「ワーク&ライフインターン」などの事業を展開しています。

スリール株式会社のHPはこちら

スリールの素敵なところは、これから親になる人たちに向けてサービス提供をしながら、
誰もが子育てをしながら働きやすい社会を作ろうとしているところです。

その中でもワーク&ライフインターンの一つである「共働き家庭を体験するインターンシップ」
とても興味深いです。
「共働き家庭を体験するインターンシップ」とは、スリールの提携先の共働き家庭から
興味のある家庭を選び、仕事を早く切り上げて、お子さんをお迎えに行ったり、
ご飯を食べたり、お風呂に入ったりといった仕事と子育ての両立経験ができるプログラムです。

このようなプログラムを作られた経緯として、これからの子育て世代に広がる
「両立不安」があります。

両立不安白書ってなに?

両立不安というのはスリールの造語ですが、これからの子育て世代の女性には
「育児は私のワンオペになりそうで不安」とか「先輩を見てても仕事との両立は大変そう」と
経験したことはないけれど、漠然とした不安が蔓延しています。

こうした漠然とした見えない不安から「働きたい」と本当は思っている女性でも
「専業主婦になる」とか「転職する」という選択をとってしまうことがあります。

 

ですが、それは女性の脳の構造の特徴であり、先読みが得意であるがゆえです。


女性は大きくわけると、この3つの要素を並行して考えているがゆえに、不安を感じ、
自身の希望とは違った選択をしてしまう傾向があります。

ハード面では育休・産休などの制度も多くの会社で整ってきていますが、
ソフト面での「女性が子育てすべき」「女性は働きたくないんでしょ」「両立って今の世の中じゃムリ」
みたいな内外からの呪縛のような固定観念や見えない不安が未だに払拭されていないんですね。

スリールは様々サービスを通じて、このソフト面のストッパーを外そうとしています。

女性たちはどんな不安を抱えているのか、についてスリールが独自に行った調査結果が
「両立不安白書」としてまとめられています。
最近リリースされたばかりですが、今なら無料でダウンロードできるのでぜひ見てみてください。

『両立不安白書』のダウンロードはこちら

この不安は女性だけの問題と思われがちですが、そうではないと思っています。
実は男性にも不安はあってそれは「自分が家庭の大黒柱として稼がないといけない」という
大黒柱バイアスだったり「男性は仕事だけをしなければいけない」というストッパーだったりします。

本当は仕事は適度に頑張りたい、他のことを楽しみたいと思っている男性でも、
表向きにそれを表明すると社内での評価に支障をきたしたりするために、
そんなことは言えないということもあるのではないでしょうか。

つまり、両立不安をなくてして「ワンオペの稼ぎ」から「チーム稼ぎ」に世の中が
変わっていくことが女性にも男性にもプラスになっていくということなんです。

 

マインドセットとアクションチェンジどちらが先か

こういった状況の中で議論として持ち上がるのは「マインドセットを変えていかないと、
労働時間削減というアクションだけをしても意味がない」という問題です。

この問題に対しては、日本人の横並び意識の強さを利用してまずはアクションをして、
アクションからいろんな人を巻き込んで最終的にマインドセットをしていくべきというお話でした。

働き方改革がなかなか進まない原因の一つに、目先のことだけを見てしまっているということがあります。
短期的にみると今日・明日の仕事を考えてしまうので、労力が大きい働き方変革には取り組みにくい傾向があります。

大企業でありながら、働き方改革を大胆に進めることができたリクルートでは常に
「30年後の働き方はどうなるか?」という視点で徹底的に議論をされたそうです。

今は絶対に変わらないと思われていることでも、禁煙や飲酒運転などと同じで、
必ず変わっていくんだということです。

また育児だけに聖域を設けてしまうと、子育てしている人だけが早帰りして
職場の雰囲気がギスギスしてしまうので、例外を設けずに制度改革に取り組むことが
重要ということでした。

白河桃子さんの著書「御社の働き方改革、ここが間違っています!」では
実際にリクルートやサイボウズで実施された働き方改革の取組事例や
女性に優しい働き方が引き起こした「資生堂ショック」などについても
触れられています。
興味がある方はチェックしてみてください。

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