企業と個人は永遠にわかりえないのか?

最近よく企業=雇う側と、個人=雇われる側は永遠にわかりえない
のかもしれないと思うことがある。
分かり合うということの細かい定義は置いといて、立場が違うのでそりゃ当然だ、
と思う方も多い方もしれない。

当たり前すぎることだけど企業は何を目指していて、個人は何にプライオリティを置いているのか、
そこから見える溝と、両者が交わりうる希望について書きたいと思う。



企業の大命題は何か?

私が仕事で関わっている採用領域においては企業が目指していることは
「優秀な人材」を採用すること。では優秀な人材を雇用して、どうしたいのか?
というと大きく言うと事業拡大、売上拡大。こういう風に考えると企業の命題は
とにかく「儲けること」に終始しているように見える。
でもこれは実は違うよねという話。

ドラッガーが言うように企業の一番の大命題は「使命を果たすこと」なんだと思う。
何かしらの不便・不都合を解決すること=いわゆる社会の不を解決することや、
より個人の人生が充実するような楽しみをもたらすこと、これらの使命を果たす
ことが企業の最重要命題だ。なぜなら人から必要とされないサービスは継続性がないからだ。

この使命を果たすには、資金、人、モノ、情報などが必要になってくる。
継続して使命を果たし、世の中の役に立とうとすれば少なくとも会社が
潰れないことが重要で、なんだったら拡大させていくことによってその影響力を
増すことができる。要は「儲ける」ことは使命を果たすための必要条件にすぎす、
目的ではないということだ。

個人は何を求めているか?

個人が一番大切なのは自分の人生であり、生活だ。仕事は人生のあくまで一部。
だからどのように仕事をしていくかは個々の価値観により多様になる。
多様になるとはいっても昨今の状況では、主に金銭面の観点から働かないという
選択を出来る人はごくわずかであり、多くの人はおそらく「給与」のために働く。
もちろん働く理由の全てが給与ではないにしろ、「給与」は少なくても、
やりたいことがそこにあるので、その会社で働きますという人は全人口から
考えると少数派だ。最低限の給与を保証してくれるところでしか、
人は働かない。なぜなら自分の人生・生活がままならなくなるから

企業は一緒に使命を果たしてくれる人を求め、個人は最低限希望の給与を支払ってくれる会社を求める

このお互いの要望がつながる(折り合う)ところで企業は雇用を決め、
個人は就業を決める。企業は「一緒に使命を果たしてくれる人」を雇うため、
給与や福利厚生、社会保険制度など含めて個人の生活が安定する基盤を与えてくれる。
近年ではこのバランスが崩れ始め、終身雇用の崩壊が叫ばれたり、
個人の時代到来などと言われたりしているのだろう。

バランスが崩れたという具体的な構造としては、企業の命題と
個人の命題は変わらないものの、テクノロジーやインターネットによって
個人の生活が変わったために個人が求めるものが変わってきた、
ということだろう。今は会社に出勤しなくても仕事ができる時代なので、
在宅で・・・とか、そういった個々の要望一つずつに企業は対応し、
企業の魅力をアップさせようとしている。

でもそれっていつまで経ってもイタチごっこ感が否めない。
もちろんここ1−2年の企業競争力を現実的に考えると、
それらの対応はつぶつぶにやっていかないといけないことだと思う。
ただこの構造の肝は、要は個人の生活を
安定させてあげること、にある。毎日の食事に困らず、欲しいものや
欲しいサービスがいつでも手に入る状態。そう考えるとそられを実現できるのは
ベーシックインカムなのかもしれない。

要は一つの企業が個人の生活を安定させる代わりに、労働力を確保するのではなく、
生活を安定させる基盤は別口で作ってあげて、仕事は仕事で別物と考えること。
そうすると企業が求める「使命を果たすために
一緒に働いてくれる人材」が確保できるんじゃないかと思う。

ZOZOの前澤さんが言っている、お金という概念をなくすというのも、
このことだと思う。こんなこと書くとそもそも無理だとか、
ベーシックインカムは結局は税金だとか、共産主義か!?とか色々思われそうだけど、
企業の大命題を果たすことを本気で実現しようとしたら、そういう世界観に
落ち着くなと思ったので書いた。

特段オチがないのだが、お金がなくなり、個人の生活が満たされれば、
企業は本当に求める人材を確保できるんじゃないか。
また個人も本当に使命に共感できる企業で働けるのでは?という話でした。
(まぁお金をなくすことは途方もなく遠い現実なので、
それなら給与や福利厚生変えたほうが早い、とか、そしたらみんな
働かなくなるとか、色々あるけどね)

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