大手保険会社で10年以上働いた私が退職した理由

新卒から11年間お世話になった会社を3月末で退職しました。
一つの区切りということで、退職に至った経緯、今思うこと、
そしてこれからについて今の気持ちを忘れないために書きたいと思います。

私は新卒で一般職として入社し、新卒採用や人材育成、研修企画・研修運営業務を
担当させていただきました(カスタマーサポートで保険の仕事やった以外
ほとんど保険の仕事をやっていない・・・)。

仕事を通じて、これからの時代に必要なのは
「人が最大限にパフォーマンスを発揮できる働き方を設計すること」であり、
そのための文化作り=「人がイキイキと働ける仕組み作り」だと考えるようになりました。
在職中は仕事はとても楽しく、職場の雰囲気や人間関係もよく、
不満があったわけではありませんでした。

 



退職した理由

にもかかわらず、このタイミングで退職した理由は
「人が最大限にパフォーマンスを発揮できる働き方を設計したいという想いから、
会社を変えたいと思ったものの社内から変えることへの限界を感じたこと」

「会社からの期待と私のやりたこいとが乖離していった」からです。

よく大企業に優秀な人はいないと言われますが、それは偏見だと思います。
人数が多いだけに様々なモチベーションで働いている人がいるので
一概には言えませんが(どこでもそうか)、それでも優秀な人は多いと思っていますし、
そう信じています。

ただ与えられている仕事が限られていたり、その評価も単一的だったり、
そうこうしているうちに会社に最適化されていく、というのが現実だと思います。

実際に周囲でもモチベーション高く、理想を掲げて働いてる人はほとんど
いなかったように思います。
出世欲がある人は多かったですが、個人として人生を通じて何がやりたいのか?
ということを語る人はほとんどいませんでした。
(何がやりたいの?っていう問い自体かなり突っ込んだ問いではあるので、
やたらめったら話すものでもないのですが。)

でもみんな優秀なんです。その時に私は「ここにいる人たちが少しずつでも
前向きになれば、大企業はきっとすごいパワーを生み出すに違いない。」
そう思い、社内でイキイキ働く人を増やす&社員が自律し、
自分でキャリア選択をしていくカルチャーを作る側になろうと決めました。

 

社内有志団体への参加

そんな想いを胸に、社外との交流を持つように心がけていた矢先、
ONE JAPAN(大企業同士がつながりイノベーションを起こしていく団体)の
イベントで社内の人に思いがけず声をかけられ、社内有志団体に加わらないか?
とのお誘いを受けました。

社員向けに自由にイベント企画などができる団体ということだったので参加を決め、
実際に社員向けのイベントを開催したり、働き方を再考するシリーズ物の企画を
走らせたりと活動をしていました。

活動をさせていただけたこと自体はとてもありがたかったのですが、
イベントの打ち合わせ等で「5年前よりはずいぶんうちの会社も変わって
きたよね。」というのを聞いて、私的にはその変化が小さすぎるかつ遅すぎると
感じたことは否めませんでした。

コインチェックのネム流出の報道を見るにつけても、
保険という重要な生活インフラを担っている会社として、
守るところは膨大な時間とお金をかけてでも守らなければいけない
ということは十分認識しつつも、会社と自分の思想が合っていない
ということを痛烈に感じ始めました。

また有志団体での活動は、結局本業の業務ではない上に、
本業へ活かそうにもカルチャー的に難しく、有志団体での活動が完全に
分断されてしまい、社外で得たことを社内へうまく再結合できずにいました。

カルチャーを変えようと立ち上がったはずが、現実は果てしなく長く暗い出口の
見えない道のりに見えたのです。その時くらいから時間はかかるけれども、
このまま社内に居続けながら社内から文化を変えていくか、
それとも別の選択肢があるのだろうかと迷うようになりました。

加えて私は一般職で入社をしていたため、会社側からは社内制度や文化作りなどではなく、
保険の営業や営業マネージャー、もしくは各種事務の決裁者や統括等の役割を
期待されていたように思います。
実際多くの先輩や同僚がそのような仕事へと異動になっていきました。
(一般職だからというのは私の杞憂かもしれませんが・・・)

時間は有限という中で、そこまで時間を使って会社に生涯を捧げるかといった葛藤をして、
結果的に私は会社を去るという決断をしました。

 

これからやりたいこと

人がイキイキと働けるようにお手伝いをしたい

特定の会社の人の働き方を変えるということではなくなりますが、
働くことを模索している全ての人のナビゲーターになれればいいなと思っています。
そんなことができる会社で仕事をします。

正解がないことはみんなわかっている、私もわかっています。
それでも選択をしなければいけない。
そんな時に自分が何をどう選ぶと幸せかということを
一緒に考えていければいいなと思っています。

イキイキと働けるような社会の仕組み作りをしたい

個人がイキイキと働けるお手伝いは、社会の仕組みと密接に結びついていると感じています。
私自身が転職活動する際にも思ったのが、とにかく不安や恐怖でした。
大きくは「お金」と「時間」、この2つに関するものだと
自分の中では整理がつきましたが、それは育ってきた環境や、
これまで仕事などで接してきた価値観からくるものでした。

お金の心配については端的に書くと、お金を手に入れまくるか、お金を手放すかです。
つまりめっちゃ稼ぐか、低収入でも暮らしていける人脈や暮らしを構築するか。

時間については余裕があることで、思考することができて実際に手を動かすことが
できるので、そこからアイデアやプロダクトが生まれる、そんな感覚があるからです。
これらを満たす社会をどうデザインしていくか。
そしてこれらの社会を実現するための教育をどう作っていくべきか。

今、働き方改革や副業解禁の流れが強いので、そのうちある程度の企業で副業が
オッケーになったり、リモートワークも浸透して、柔軟な働き方ができるように
なっていくと思われます。
一方で週3日しか働かなくていいから給料もそれ相応ね、とか、
仕事はあるけどやりがいあるわけじゃなくて、ずっとオペレーション回して成果出す仕事だよ、
みたいな(もちろん今でもあるんだろうけど)そんなモノクロで無味乾燥な世界が
待ち受けているとも感じています。

労働者も企業も二極化して各所で余りが生じる場合に、高スキルではない人は
どうしていけばいいんだろうとか、若い世代が力を持ってきた時に、
じゃあミドルシニア層は一体どうしたらいいんだろうってことも考えていきます。

教育はとかく子どもや若年層向けに語られがちです。
純粋にその方が投資のしがいがあるというのは否めないのですが、
人生100年時代が本当に全員の自分ごとであるなら、誰しもがいつまでも
若い側にはいられません。
若いうちからの文化形成のための教育とともに、社会人になってからも学び続ける
土壌作りの教育にも関わっていきたいと思います。

 

最後に

ということで、個人向け、社会向け(企業向け?)に
これからやっていきたいことを書きました。
特に社会向けの方は書いてはみたものの、何から手をつけたらいいのか、
まだ具体的には全然わかりません。

が、働く個人がリアルにどこに悩みや課題を抱えているのかを知ることが
一歩だと思うので、個人向けに解決したいことをまずは頑張って
取り組んでいきたいなと思います。

また、ある人には、個人がイキイキと働けることと、
社会の仕組作り(もしくは企業での組織作り)は、組織や社会の最適化という意味では
相反する場合もあるから難しいね、ともアドバイスをいただきました。

大変お世話になったベンチャー企業の社長の言葉も忘れられません。
世界をよくできると信じている、と。

転職を決めてから今日まで、前職の上司や同僚含め本当に色々な方に、
多方面からのお言葉をいただきました。色々なものの見方があり、
そしてそれらは全てが事実だなと痛切に感じました。

それでもやはり、全ての人が彩りのある「働く」を手に入れられる社会を、
今の私は目指したいと思います。

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